臭くないチヌを食べてみたい。これまで湾奥でチヌを釣ってきたが、どれも程度の差はあれヘドロ臭がした。磯など外洋で釣るのはまだ難しい。
あることをふと思い出す。
釣りを始めた頃、六郷橋付近で死んですぐのフッコを拾ったことがあり、食べてみたら臭みがなかったのだ。また、多摩川で釣ったマゴチは臭くなかったという報告もあり、多摩川でチヌを狙うことにした。
多摩川といえば、今までほぼ堰上でしか釣りをしてこなかった。何度か堰下で竿を出したが、バラシがあっただけで釣果はない。
大潮のある日の夕方、川崎に到着。レンタサイクルでランガンする。駅前にレンタサイクルのポートが多く、困らない。
多摩川沿いをサイクリングしながらポイントを探す。まずは餌となるカニを得なければならないが、満潮の時間帯で採れそうなとこが見当たらない。
早速躓いたかと思いつつも、下流方向へ向かいつつカニポイントを探す。大師橋を越え、多摩川スカイブリッジを越え湿地のようなポイントを発見。
護岸沿いにはカニが見える。ただ、こちらが近づくとすぐ隙間に逃げるので確保は困難。そこで、陸地の倒木をひっくり返してみた。案の定ワラワラと出てくるカニ。ついでにミミズもゲット。
そんな感じで10匹ほどカニを確保した。夕マズメの一時間ほどの釣行には十分な数だろう。
もと来た道を引き返す。殿町第二公園近くの護岸ポイントで竿を出すことにした。
ここは、餌釣り、ルワー共に人気の場所で釣り人が並んでいる。一番釣れそうな左端のポイントは近くに木などがあるせいか人がいない。
この時点で6時過ぎ。日没まで時間がないので急いで準備しカニをかけて投げる。
北風が吹いてるせいか仕掛けが飛びにくい。重りを足して重くする。
左斜め前に投げて手前に巻くと根がかりとは違う感触。見てみたら、カニがフンドシなどを除いてとられていた。
とりあえずチヌがいることが確認でき、俄然士気が高まる。すぐにカニを付け替えて打ち返す。一投目ではあたりなかったが、2投目でかけた。
久々にまともにやり取りしたせいか、かなり引くような気が。もしかして大物なのではと期待もかかる。
手前の障害物に巻かれないように慎重に寄せる。
高低差がある場所じゃないので、タモなしで取り込もうとするが苦戦。いつものスモールと違いなかなか掴ませてくれない。捨てられたマットの上にまず上げて針ハズレした場合への安全を確保し、その後やっと掴むことができた。
針は下顎の唇にかかり、ちょっと危うかった。エラを切り、水中に入れ釣り再開。
とりあえず一匹確保したので少し遊ぶことに。もう一本の投げ竿にジェット天秤をつけ、ミミズを投げてみた。そちらは置き竿にして、カニでチヌを探る。
先ほどの場所を中心に丹念に攻めるが反応がない。一度辺りかと思ったら、草に引っかかっただけだった。
根がきつくないのか、少し引っかかることはあれど、根がかりすることはない。
7時くらいに納竿にした。ミミズには食われた形跡はなかった。ハゼくらい食いついてきそうだが…。
帰宅しチヌを捌く。この切れ端を喰ってみたが臭みはなかった。2日後、試しに刺身で食ってみると、湾奥臭がする。う~ん多摩川もダメか? と思いつつももう少し寝かせることに。
4日目に、刺身とカルパッチョにして食ってみた。緊張しながら口に運ぶ…
…
あれ臭くない? もう一度刺身を口にするがやはり臭いがない。臭みに比較的強い気がするカルパッチョはバカ美味い。
以前、湾奥スズキに軽く塩を振って寝かせたら臭みが消えたことがあった。今回は単純に寝かせただけだが臭みが消えた。当然個体差はあるんだろうが、大きな発見を得た。
今後も多摩川河口に繰り出してチヌを釣り食してみた。
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