4万以上払って島流しの気分を味わう@下田沖・横根

この冬は釣行可能な時間をグレ釣りに全ツッパしているが、木っ端以外釣れていない。下田沖まで行かんとグレは釣れんかな・・・と思いつつも、青物や根魚といったお土産が望み薄の冬は金どぶかなと控えていた。しかし、釣り百景の平輪卓也さんのオオカミ回を見て、横根に渡りたいという情念を抑えることができなくなった。


前日に渡船屋の民宿に泊まり、翌日渡るという段取り。翌未明、強風予報も港は凪。出船し湾を出ると波が凄い。船が揺られる、揺られる。そして沖に出るにつれ風が強くなっていく。


「3番」とかいう場所に下りてみた。別の渡船が裏本場に爺さん2人を下した。西風が強く、裏本場側しか竿を出せない。

(手前は定期的に波を被る)


コマセ
 外来魚ミンチ 3kg
 おから(水分少な目) 1.5kg
 米ぬか 少々
 押し麦 150g
 乾燥オキアミ レンガ一つ分くらい

今まで無駄に備蓄していた外来魚ミンチを解放した。刺し餌はザリガニむき身とオキアミ。保険でオキアミも持ってきた。仕掛けは0+αにジンタン5号。ハリスは1.5号を長めにとった。
 

一番竿が出しやすそうな船着き場は、一緒に下りた人に譲った。ただ、釣れてる様子はなく、そのうち、別の釣り座探しの旅を始めていた。


こちらは船着き付近の辛うじて竿が出せる場所で始める。その後、船着きが空いたら移動。時折、餌が取られるも基本的には反応に乏しい。浮いてくる魚も勿論いない。風も波も強い割には仕掛けは割と馴染んでいたと思う。しばらく流すと潜り潮に引っ張られるのか、ウキごと沈んでいた。


釣り座探しの旅に出かけた彼は、風表の沖横根に近い釣り座で竿を出していた。ここだけサラシが弱いということだ。小さいイスズミをかけたと言っていた。こちらも少し竿を出してみたが、暴風にたまらず退散。


裏本場側の右端で、沖横根の岬により波が遮られ釣りがしやすそうな場所を発見した。後で聞いたところによると、「川」と呼ばれているらしい。しかし、直後に例の彼に入られ、譲らざるを得なくなる。観察していたら、時折竿を曲げていた。迎えの船で聞いたら、タカノハ、ブダイ、アイゴが釣れたとのこと。オナガらしき魚もかけたが切られたらしい。オーバーハングがあるんだとか。


3番の船着きで竿を出し続けるも釣れる気配はない。初めて渡礁した時に風表でイサキを連発したことを思い出し、表本場に行ってみた。サラシはそんな酷くなく辛うじて釣りになるレベル。何度かウキが小気味よく沈むも、スプラッシュでコマセがびちゃびちゃになるに至って撤退した。


午後、裏本場の爺さんが時折竿を曲げているのを確認した。初回の渡礁で見た激流の川はなく釣りやすそうだった。そのやや右の2番?の釣り座に入った人については、釣れてるとこを終ぞ見なかった。手前は波を被るので奥から投げざるを得ず、めちゃくちゃやりにくそうだった。


昼前からオキアミも投入すると、ザリガニよりは餌を取られるようになった。はっきりしたアタリも出るが、捉えることはできず。


仕掛けがハエ根に引っかかるのが怖くて、前まで出たせいで足元を波に洗われること数え切れず。そして、冬の暴風は容赦なく足元から体温を奪っていく。釣りにならんは、寒いは島流しにされた気分になる。久々に迎えの船が早く来ることを願った。しかし、この辺の渡船の迎えは午後3時…


コマセが残り少なくなったところで、バッカンが波を被り、コマセがスープになった。周囲が片づけを始めたあたりで、こちらも失意の納竿。同じく厳冬期に渡礁した前回同様、餌取すら釣れないパーフェクトボウズを達成した。


帰港しバスが来るまで、船長からいろいろと情報を聞き出した。


当方の3番は海が荒れてなければシマアジも釣れるとのことだ。2番は釣り座が波を被らないと釣れるらしい。 釣り方も冬は潮を釣るというよりかは、手前にじっくりコマセを撒いて深棚を撃つのが良いとのこと。全く当方がやっていたことと同じだ。


サメについても聞いておかねばなるまい。今年は、湧いてくるのが遅かったらしい。普段は9月らしく、冬には消えるそうだが、今冬は12月に出てきたとのことだ。


退治の方法を聞くのも忘れない。釣りあげることができなくても、岸まで引きずるだけで「釣られる」ことを認識し以後は消えるとのことだ。船長たちは実際に水揚げし腹をかっさばいたらしい。その臭いで暫くは出てこなかったそうだ。


気が早いが、下田沖の夏の楽しみモロコについても聞いてみた。夏季名物・夜釣りは、横根などの沖根ではやっておらず、地方の磯でやっているとのこと。それでも去年はシーズンで20本以上とかなり釣れ、型も出たらしい。黒潮大蛇行で沖からどんどん入ってくるからだという。


今回は、事前に想定していた経費のほかに急な出費を強いられ計4万5千円も使ってしまった。それでアクシデントにパーフェクト凸という結果に帰りの踊り子で酒をかっ食らわないと精神が崩壊しそうだった。誰かが釣りの効用をメンタル強化と言っていたのを耳にしたことがある。今回はここ最近では最大の精神修養に終わったと思う。寒グレを手にするのはいつになるやら…

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