前回、無残に撃沈しリベンジの機会を伺っていたものの、時化続きで渡礁できる機会がほぼなかった。台風並みの暴風が吹き荒れた翌日、やっとその機会が訪れた。
予約したのは割島。低いしうねりが残ってたらダメかな~と思っていたが、受け付けをするとOKとのこと。海岸に行ってみると天気は明朗で風も波もない。流石に海上に出るとビュービュー吹いてくるけど。
コマセ
おから 1kg
ザリ粉末 1kg
米ぬか 1.5kg
むき身 0.5kg
今回は遠投性能を担保するためおからより米ぬかを多めにし、これまで付け餌と同じものをあまり混ぜてこなかった反省を踏まえむき身もたくさん用意した。
付け餌はザリガニのむき身2種(塩漬け+みりん漬け、粕漬け)と酒粕。結論から言うと、粕漬けは微妙だった。想像はしていたが、身が柔らかくなりすぎる。餌取りだらけの状況では、グレなどの食いがいいのかどうかもよくわからない。
乗船中に船頭にどんな感じか聞いてみた。潮流は潮汐がほぼ同じでも日によってガラッと変わること、タナもころころ変わることを教わる。これから行く場所に関する情報ではないものの、基本を再確認させてくれ感謝。ガン玉はできるだけつけず、全遊動でタナを探るべきとのことだった。半遊動なら3ヒロから徐々にタナを下げていくとよいらしい。
上陸し、コマセ作り開始。乾燥ザリに海水を入れ、”戻し”をする。海水が馴染むまで撒き餌無しで竿を出してみる。
ウキB、ハリス1.5号2ヒロほど、針はかかりすぎ口太6号。船頭のアドバイス通り、タナは3ヒロから、ノーガンでやってみる。
予報通り北風がバカ強いなか、まずは江ノ島向きの実績ポイントから。当て潮気味で、仕掛けがハエ根の上に来たあたりで浮きが沈んだ。
アワセをキメると、釣れたのは極小ベラ。泳がせの餌としてキープ。続いて勢いよくウキが消し込む。
定番のお土産ウミタナゴ。
この釣り座だと、横から風を受ける形になり非常にやりにくい。追い風になる割れ目向きに移動。こちらでも根のあたりに仕掛けがいくも沈む。しかし…
またフグが湧いてるのか。
8時くらいにコマセをセットし本格的に開始。強風で糸が煽られ仕掛けが入っていかない。たまらずBくらいのガン玉をつける。
江の島向きの右側での竿を出すが厳しい。風が邪魔してコマセの遠投が上手くいかないのだ。手前は浅く餌取りしかいないので、遠くに飛ばせないとその時点で意味がない。かろうじてウミタナゴが釣れた。
もろ風表だが、森戸海岸向きにも出てみた。こちらはコマセ、仕掛けは飛ばないわ、餌取りだらけだわですぐ撤退。
コマセを手前に撒くと、大量に浮いてくるのはハコフグとよくわからん小魚。少なくともクサフグなどではなさそう。後の方になると、ハコフグとウミタナゴがメインになった。ウミタナゴはなぜか、水中だと青白く見え、グレかイスズミと勘違いさせられる。前回より潮回りがいいのか、出てくる面々がかなりマシ。前回はハコフグが少々に後はクサフグなど小魚だけだった。
その下にブダイが泳いでいるが、むき身だと瞬殺されるので釣れない。カメノテをぶっこんでみたりしたものの、ダメ。硬い殻で餌取を防ぎ、一方でブダイの食いは抜群な”マッカチン”を持ってこなかったのが悔やまれる。後で思い返せば、磯に山ほど生えてる海苔でもいけたと思う。
フカセで釣れないと場所休めもかねてハコフグを狙ってみたが、これが意外と難しい。クサフグなどと違い、カワハギ風のおちょぼ口で餌だけを取るスキルが抜群に高い。だから、釣りではスレ掛かりで小物を1匹釣るのみだった。
そこで発想を変えることにした。ハコフグは防御力は非常に高いがその代償として、遊泳能力は壊滅的に低い。しかも、コマセがぶちまけられると海面付近まで上がってくる。たも網をあらかじめ海中に入れ、コマセを撒くと簡単に捕獲できそうじゃないか?
予想は的中。まず1匹とり、次にはなんと3匹同時に捕獲できた。これだけあれば十分だ。
フカセを再開するが、結果は芳しくない。半遊動だとへたっぴの当方にはいくらやってもタナを見つけられない。そこで、船頭のアドバイス通り、沈め釣りをすることを決断。0ウキを引っ張りだした。とりあえずガン玉なしでやるが、まだ少し風も吹いており上手く沈んでくれない。そこで、G3をつけてみると今度は沈むのが速すぎる。魚がかかって走り出した時ばりに速すぎる。
さりとて、軽武装・経済重視の当方にG3以下のガン玉はない。このままやっていくしかない。
11時半ごろ、また森戸海岸向きの釣り座に移動。今度は餌が取られない。足元に撒いても何も浮いてこない。
12時ごろ、休ませた江の島向きの本命ポイントに入る。風がほぼなくなりやりやすくなってきたため、ガン玉を外した。ただ、餌取りは沖にまでおり、もう潮どまりの時間を迎えた。諦念が漂。
手前の餌取りは沖に出ていかないように足止めのコマセを打つ。この時、あることに気づいた。岸際を流れる潮に乗せるようにコマセを打つと、餌取りもきれいに全部そちらへ行ってくれる。今までコマセワークで餌取りの分離を試みても結局、岸際も沖も餌取りだらけになるだけで効果がなかった。グレは潮を釣れというが、餌取りも潮で遠ざけよということか。
餌取り対策としては、酒粕付け餌ガードもやる。いい塩梅で酒粕はなくなり、付け餌が出てくれるのだが、沈め釣りだと沈むのが速すぎる。どのあたりで酒粕がとれたのかわからない。まだラインであたりをとるレヴェルに達していないので、水中のウキ・潮受けの動きであたりをとっている身としては厳しい。
あとよく締まったむき身じゃないと、酒粕でくるむ時に付け餌がとれる。それほど硬くしてない今回の付け餌ではやりにくかった。
沖の方に投げ、なじませるとウキが勢いよく吸い込まれ、アワセを入れるとウミタナゴの繰り返し。何度かやると、明らかに違う引きと重量感…!
浮いてきたのは本命のグレ!目測で30は超えている、日中に尺越えを釣るのは初めてだ。ただ、この時、コマセの中のザリむき身はほぼなくなっていたように見えた。結局、何でもタナにコマセがあり、付け餌が落ちれば食うのだろうか。
興奮で大失態を犯す。穂先20㌢くらいを折ってしまったのだ。穂先あたりに糸が絡まっており、それが引っかかって力がかかったのだろう。
もう納竿してもよかったが、3mの投げ竿で再開。潮受け下を長くとろうとすると、めちゃくちゃ投げにくい。
食い下がっても釣れるのはウミタナゴだけ。珍しくお土産がそこそこあり、その後処理を考慮し納竿とした。
今回、ボラの群れは見えなかった。
…
その日はハコフグ料理かっとっぽを楽しみつつ、グレは少し寝かせることに。翌日、捌いてみると噂通り脂がねっちょりしている。
刺身で食べてみると、その濃厚さ味わい深さに驚いた。これまで何度かメジナを食べているが全て旬の時期ではなかった。アイゴのほうが美味いんじゃないかとさえ思っていたが、全くの間違いだったと痛感。寒グレは別格の味だった。
シーズンはまだ終わらない。また、この味を楽しみたい。もちろんお次もまた、ザリガニで。
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